【私立 御前女学園】女子高界ではエリートの、狭き門である。
「ア〜ン」
これが記念すべき「御前女学園」の1ページ目です。
鉛筆で薄く描かれたものなので、はっきり表示できませんが
当時のコンテのままで紹介させていただきます。
表書きには「恥を忘れたレディースコミック・1988年原作」と
書かれていますが、恐らく描いたのは1994年頃と記憶しております。
回が進むごとに、描いた年代も分かるかも・・・。
試験受付の日。1ページ目で、大きな口をあけていたのは、本編の主人公「兵頭乱舞」(当時は兵藤と記載)
風呂敷を背負い、開襟シャツに長靴という、いかにも田舎モノの出で立ちで(しかししっかりミニスカ装着)
校舎の茂みの中で弁当を食べておりました。
「モグモグ・・・(この学校で9つめだ・・・手ごたえのある所だと ええけどなあ・・・)」
そこに突然、茂みを破って剛速球が!
乱舞はすかさずそのボールを箸で「箸”ッ」と受け止め・・・
「!? 手ごたえ・・・」
B
「返してェ〜!!」
ボールの飛んできた先で、叫び声が・・・。乱舞が茂みから顔を覗かせると、
ソフトボールのユニフォーム姿の少女「伊達 臨」が地面を蹴りながら
愚痴っていた・・・・・。
「返してよ 私の 青春を・・・」
すかさず乱舞は、彼女にボールを箸で投げ返した。
「返すぞ、ホレ!!」
C
突然の返球に、あっけにとられる臨。
「人のメシの 邪魔 すんなよ。同じ 受験生でねえか。」
(・・・すごい リストだ)(な・・・なんて女・・・?)
(私の速球をハシで・・・)(こんな女がいたのか・・・)
と、独り言モードに入る臨。
(私は中学ソフト界の女王になるはずだった)
(でも、みんな私の速球を捕れず、負けた・・・)
「うちのメンバーの為に、私は女王になりそこなった。」
「こんな気持ちで ボールが捨てられてェ!?」
D
「捨てちゃ、いけねえだ。」
差し出した腕をつかんで、乱舞が傍に寄ってきた。
「今まで、おめえが築いてきたものを ぶっこわすなよ。」
「ぇ・・・」
一瞬、たじろぐ臨。気を取り直して、乱舞に応える。
「ありがとう・・・でも高校に入ったら そんな事は・・・」
「何言ってるだ!!甲子園へ行くだよ!!」
「どっしゃあ!!」
「おらも田舎から あの高校野球の祭典・・・甲子園に行くことを
夢見てただよ ああ栄冠はおらに輝く・・・」
臨は、腰を抜かしながら
「こいつ・・・単なる田舎モンじゃねえ・・・バカだ・・・」
E
「女子高が・・・女子が プラカード以外 出場できないのは 恥ずかしいな〜」
「おらと共に この学園を甲子園に いざ出さん!!」
「ハハハ・・・」
(なんでよりによって この学園に?」
臨はこの田舎娘と関わりたくない、と思い・・・でまかせを言った。
「あっ そうだ!!」
「ここの理事長が 大の野球ファンだってさ!!《でたらめ》」
「野球をやりたいって言えば 即合格よ!《でまかせ》」
「本当か?よい事を 教えてくれたね!」
「いざ行かん!!面接試験!!」
「落ちてこい」
乱舞の後ろ姿を見ながら、臨はまた独り言モードに。
「あの子が 中学時代 私のチームに 居てくれたら」
「私も”女王”になってたはず・・・。」
独り言は次のページまで続く・・・