第二話「どんなに高くても」

5〜9ページ「麗華 登場!」

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この頁は乱舞と虹世の会話だけの、ちょっと退屈なシーンです。
しかし、乱舞の家について説明されています。
「ところで 理事長さん?」
「おらを 特待生にしてくれたからには 家もくれるんだろう?」

「家? ああ、寮のことね?」
「タクシー代なら 出しますわ。」
「・・・おらの実家は・・・。」

「えーっ!?本田裸(ホンダラ)村!? 
 ずっと 山奥の!!」

「ヘリコプター代 出しますわ。」
「虹世様! 何を渋ってるんですか!?」


「”あたくしの部屋”が またひとつ 減ってしまう・・・。」
「寮を 自分の部屋に しないで下さいっ!!」

「いいでしょう。その代わり、と言ってはなんですが・・・
 ラブさんに お願いがあります。」

「なんだ?」


「あんまり お下劣な服は 召さないでね!」
「う〜〜〜〜っ・・・」

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そして、虹世が乱舞に与えたのが、現在の服でした。

「へえ〜 理事長さん いいセンスしてるなァ〜!」
「前と あんまり 変わらないね・・・」

乱舞と才奈の前に、1枚の紙切れが差し出された。
「それがご令嬢の リストですわ。でも
ピアニストの”リスト”ではありませんわ。」

「高尚なギャグ ですねえ・・・」
眼鏡をかけて見入る才奈。
「数あるお金持ちのスポーツお嬢様の中から、
選りすぐってここにスカウトするそうです。」

ここに「1991.5.10〜」と記入あり。執筆再開の日時らしい。

「もう疲れて 眠ってらあ」
虹世の眠ってる間に、文句をたれる才奈。
「スポーツウーマンを 手に入れて 世界を征服したいんだって。
マモーか?お前は!」

(時代は やるならやらねば「ナン魔くん」の頃だろう)
「それなら 思い当たりが・・・」

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才奈に 臨のことを話す乱舞。しかし臨は・・・


呆然と乱舞の壁を登っていった辺りを見つめているだけだった・・・
「昨日、ソフトボール部のエースって子がね・・・」
「虹世さまの野望は 家柄の良い子を集めて 寄付金を集める事よ。」
「どれどれ・・・ん?麗華だって?」

「麗華・・・?まさか、あの お〇夫人???」

「ちがう!ほら、あの丘の・・・
大きなゴルフ場を持った お屋敷の子よ!」

【皆堂カントリー倶楽部】の看板がある。そこの茂みに隠れる二人・・・。


「ここで 待ってれば いいわけか?」
「黙っててもやって来て くれるんだ。」

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その遥か彼方のグリーン上では、「皆藤 麗華」が執事の「じい」をキャディに従えて、グリーン上に立っていた。
しかし、その手には「ドライバー」が・・・。


「なんですの?じい・・・。」

「わがまま言っては 困ります・・・この”カップ”に”パット”で入れて頂かないと・・・。」

「あら失礼な! バスト90 Cカップのあたくしに、パットを入れろ!ですって!?」

スコーン!思わずティーショットを打ってしまう麗華。
「これでは ゴルフに なりませんわ〜」
「300ヤードは 飛んだね!」

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タマのとんだ先は、茂みの中。乱舞がダイレクトキャッチをしていた。

「ウワサどおり パットはヘタだが ティーショットの飛距離は 超一流・・・」
麗華が こちらに近づいてくる・・・。
「ここら辺に 落ちたわ・・・」
「球筋も 正確に読めるみたい。いい目をしてるわ。」


「ラブ・・・ボール”返して”あげなさいな
乱舞はゴルフボールを茂みの中から麗華の尻にぶつけた。

バシッ!
「!! だ、だれじゃい!?」

そこには、王子様ルックの才奈が立っていた。

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