第三話「4匹の仔猫」

6〜9ページ「乱舞と直姫の対決」

「うるさーい! オレは 剣道に
青春のすべてを 賭けてるんだァーッ!!」

E


「でもさ、ここにとどまってるのも
 青春のムダ使いじゃねえのか?」

「そうそう、いいこと ゆーね〜」

「そう、それじゃ オレから一本 とってみな!!
 とったら 入学してやるよ!!」

すばやく 差し出された竹刀を 奪い取る乱舞。

「一本 取ったぞ!」

そのセリフに 慌てて否定する直姫。
「う・・・そ・・・そういう意味じゃなくて・・・あのね〜」

すかさず、乱舞の一撃が決まった。


「め〜ん!」

「うえ〜ん すみちゃ〜ん よしかわく〜ん」
「えらい!えらい!」

F

急に 強気になる 才奈。


「この 剣道の ドシロウトに 一本取られるほど
あんたの 今の心は スキだらけなんだよ!」

「素人だって?」

乱舞の腕のよさに 疑いをかける直姫。
「剣道はシロートでも ケントーじゃ 負けんよ。」
と、ファイティングポーズをする乱舞。
「ケントーって?」疑問に思う才奈。
「ボクシングの事だよ。この子、結構強いよ!」

「あわわわ・・・ラブってやっぱし
あなどれない・・・。」

ビビる才奈。


「入学したら 絶対勝負させろよ!」
「ええだよ いつでも挑戦 受けたるよ!」
「あれ?この前と 同じ展開・・・。」

とりあえず、スカウトには2人成功して、乱舞と才奈は学園に
帰ったのだが・・・。

G


「へ?」
「何 考えて いるんですか・・・」
「へへへ・・・」
詰襟姿の虹世に詰め寄る才奈。

「スポーツ少女入れても4人、
この4人だけで 何をしろって いうんですかーー!?」

「9人揃わんと 野球なんてできんぞ。」

「野球部設立には それなりの苦労、ありますわよ。」


「苦労知らずのくせに・・・」

「お待ちっ!」

「いよいよ 明日は 入学式ですわね。」
「まさか・・・」
服を脱ぎ始める虹世。その下には・・・。

H


「御女の 制服ですわ。
私も 明日から 御女の1年生に
なるんですのよ。」

「また ファッションショーと 思っただ・・・。」


「ちょっと待った!虹世さまは
アメリカの大学出たんじゃなかったの!?」

才奈が 虹世の学歴に関して突っ込む。
「あなたたちと もう一度 日本の学園生活
味わってみたいのよ・・・苦労したのよ〜」

「どこが・・・」


「そりゃ まあ・・・20歳にしては 若く見えるし
ギャップも 感じませんが」

「ギャップって なんですの?」

ここで 虹世さまの年齢が 初めて明かされたのです。
「同じ生徒になったんなら おめーも野球部作りに いざ!」
虹世を窘める乱舞。

「それは ダメですわ。私は生徒である前に 理事長!
立場が 違いますわ!」

次へ